アドラー式子育てをじっくり実践したい方へ(手引きのまとめ)〜優しさと毅然さの子育て

アドラー式子育てをじっくり実践したい方へ(手引きのまとめ)〜優しさと毅然さの子育て
2019年12月7日

私がアドラー式子育てを始め、本格的にアドラー心理学も学び始めた当初のこと。基本理念を理解したものの、どのように実践したら良いかにつまずいていました。そこで縁あって出会ったのがPositive Disciplineです。

Positive Disciplineは実践マニュアルのようなものでした。そこには具体的な声かけの方法が詳細に語られ、豊富な体験談とも出会うことができました。

その後は、アドラー式子育ての実践が加速していきます。そして気づくと、当時3歳だった娘との関係性は驚くほど改善し「お父さん嫌い」が「お父さん大好き」に変わっていきました。子供達のために始めましたが、次第に自分も勇気づけられていきます。

このページが、アドラー式子育てを実践するきっかけになって頂ければ幸いです。上手くいくことも、いかないこともあるかもしれません。是非、一緒にお稽古していきましょう!

まず初めにアドラー式子育ての全体像を知りたい方はこちらもオススメです。子育てブログも覗いて頂けたら嬉しいです。

アドラー式子育て「Positive Discipline」とは

アメリカのカリフォルニア州が発祥のJane Nelsenが開発した、世界中の親に愛されているアドラー式子育てのプログラムです。

公式ホームページへのリンクはこちらhttps://www.positivediscipline.com/

日本におけるSMILEパセージと同様にアドラー心理学をベースとした子育て法です。具体的な手引きが沢山紹介されている点が特徴です。

基本理念が論理的に説明されており、実践方法や体験談も含め詳細に記述されています。人種や宗教など多様性のあるアメリカで開発されたこともあり、明確で詳細な説明になっているんだと思います。

アドラー式子育ての理論は分かっても、どのように実践すれば良いかに迷った時に重宝します。ブログでもPositive Disciplineの手引きを実践しているのはそのためです。

アドラー式子育ての目的

Positive Disciplineでは、子供の自己肯定感「Sense of Significance」と所属感「Sense of Belongingness」を育てることを目的としています。

現代アドラー心理学で、人間の究極目標とされている2つの感覚でもあります。

自己肯定感「Sense of Significance」

不完全な部分も含め、存在しているだけで価値があるという感覚。ありのままの自分を受け入れているという自己受容から、自分はできるという自信まで、幅広い意味があります。

自分のことが好き。自分を大切にしている感覚とも言えます。

日本語では、自己受容、自尊心、自己重要感、自己肯定感、自己効力感、自信、と表現するとわかりやすいかもしれません。

ありのままの存在価値から自信へ向けての優越性の追求と考えることもできます。アドラー心理学では「縦の動き」と表現されることもあります。

アドラーは、優越性の追求について、大昔まで遡って説明しています。人間は他の動物に比べて牙を持っておらず、弱い存在ですよね。ゆえに、強くなりたいと思い、槍を作りました。生きるために優越性を追求していたというわけです。

所属感「Sense of Belongingness」

読んで字のごとくに、所属している感覚です。子供にとっての最初の共同体は家族。家族に所属している感覚になります。

自分は家族の一員。家族は安心できる場所(安心感)。無条件でお互い信頼できている(相互信頼)。みんな優しい(他者信頼)。自分も含めて全員で家族。自分はみんなの役に立っている(貢献感)。ただ一緒にいるだけでいい。そんな感覚です。

アドラー心理学では所属感の追求を「横の動き」と表現されることもあります。

アドラーは大昔に遡って説明しています。人間は1人では生きていけません。みんなで協力しなければ生きてはいけない存在です。

現代社会でもそうですよね。1人では生きてはいけません。所属感を求めるのは自然なことなのかもしれません。

勇気づけ

アドラー心理学では、技法と位置付けられています。アドラー式子育てでも、勇気づけは、中核的な存在です。

自己肯定感と所属感を育てる水のような物と考えます。「私はできる」「私は役に立っている」という感覚を勇気づけるのが、アドラー式勇気づけです。

例えば、小さい子が、家事のお手伝いをしたとしましょう。そこで、親がこう言ったとします。

「ありがとう。お母さん嬉しい。助かったわ」自分には価値がある。役に立った。自分は家族の一員。と子どもは感じることができます。

もう一つ、わかりやすい例です。毎日毎日、無条件で、「大好き!」と伝えたらどうでしょうか。

自分は存在しているだけで価値がある。ここに居ていいんだ。家族の一員なんだ。と思えるようになりそうですよね。

勇気づけの積み重ねで、子供の自己肯定感と所属感が育っていきます。

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迷った時は、勇気づけの全部乗せ(自信、共感、興味)。いいねー。嬉しいね。大好き!自己肯定感と所属感の両方を刺激する声かけが有効です。

子育てスタイル

優しさと毅然さ(Kind AND Firm)の子育てスタイルと表現されることがしばしばあります。支配的なスタイルでもなく、なんでも許してしまう放任的/許容的なスタイルでもありません(Jane Nelsenの本やインタビューで、そのように表現していることがありました)

子供のありのままを尊重しながらも、言うべきことは言います。子供の意見を尊重しますが、その結末の責任も取ってもらいます。アドラー式子育ては、優しいようで、実は、厳しい子育て法でもあるんです。

アドラー式子育てを始めると、なんでも認めがちになり、許し過ぎになってしまうことがあります。そんな時は、毅然さも必要であることを思い出しましょう。ちなみに、私は毅然さは苦手です。

例えば「大好き〜」と存在価値は無条件で認めつつ、「それは危ないからやめてね!」とキッパリ言うことが、優しさと毅然さになります。

コツとしては、普段、勇気づけができていると、いざと言う時に、キッパリ言いやすくなります。

また、アドラー式子育ては、アメとムチには否定的な立場をとっています。

甘えさせるけど、甘やかしはしない(優しさはアメではない)。

逆に、毅然さが支配的になったり、罰を与えるようになることもあるので要注意です(毅然さは罰ではない)。

なんとなくイメージはつかめましたでしょうか? 私もまだまだ試行錯誤しながら実践しています。

信頼して長期視点

もう一つ、アドラー式子育ての重要な基本理念があります。子供の力を信じて長期視点を持つことです。

例えば、赤ちゃんが立ち上がる工程。みんな、いつかは立てるようになると、赤ちゃんの力を信じて、長期視点で見守っていますよね。立ち上がり方を教え込むこともしません。ただ、信頼して、時には応援しながら、見守っているだけではないでしょうか。

いろんなことがすぐにできるようにはならないかもしれません。でも、力を信じて、長期視点で見ていくと、親は焦ることがなくなり(イライラもなくなり)、子供には活力が湧いてきます。

大人だって、信頼されて、長い目で見てもらった方が、嬉しいですよね。

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子供にイライラしたら信頼して長期視点。そして成長のチャンス!そう思うとイライラが半減します。

(補足)課題の分離を子育てに応用する場合の留意事項

(課題の分離についての記述については、マンガでよくわかるアドラー流子育て(宮本秀明[著] 岩井俊憲[監修])を参考にしています)

アドラー式子育てでは、過干渉にならないで、子供の力を信頼して、長期視点で子育てをすることを提案しています。

課題の分離をうまく活用することで、親は子育てのイライラから解放され、子供は自立する力が育っていきます。

嫌われる勇気で、初めてアドラー心理学を知った方も多いのではないでしょうか。そして、そのドラマで強調されていたのが課題の分離です。ドラマ好きの私として全話楽しんで見ました!しかしながら、課題の分離の部分が誇張されていたので、勘違いされるかたもいるのではないかと懸念したのも正直なところです。

課題の分離をどのように子育てに取り入れるかは大切なことなので補足させて頂きました。

アドラー心理学の共同体感覚は、お互いの違いを尊重して自分も相手も大切にすることを基本としています。一方で、日本人は、自分を犠牲にして他人を大切にし過ぎる傾向があります。子育てにおいても、子供を大事にするあまり、過干渉になってしまうこともあるのではないでしょうか。

課題の分離は、お互いに干渉しないことや、嫌われてもいいことを推奨しているわけではありません。自分を大切にしないで相手を大切にし過ぎたり、子供を過干渉してしまうことに、警鐘を鳴らしているくらいと考えると、実践しやすいです。

課題の分離は、あくまでも状況や立場を整理するファーストステップで、次のステップである、協力すること信頼して見守ることに繋がっていきます。

例えば、子供の宿題です。宿題をしなくて困るのは子供。心配するのは親です。宿題は子供の課題。心配することは親の課題と考えます。

過干渉をしていると子供は嫌がりますし、親はイライラしてしまいますよね。

一旦、課題を分離して落ち着くと、次のステップに進みやすくなります。

「宿題大変そうね。何か困ったことがあったらお父さんに相談してね」(課題を分離している状況で、無視とも異なり見守りつつ、協力の提案をしている)

そして子供が合意したら

「お父さん、わからないことがあるから教えてくれる?」

となり、宿題が共同の課題となり、協力して課題に取り組むことができます。

もし、何も言ってこなかったら、子供の力を信頼して長期視点で見守ることができます。子供は大人が思っている以上に解決する力があります。

失敗したらアドラー式に勇気づければいいんです。失敗したとしても、そこから学ぶことができます。子供のうちにたくさん失敗して、起き上がる練習をすることは、将来の宝になるはずです。

子育ての軸となる育みたいアドラー心理学の思想と5つの基本理論

(アドラー心理学の思想と理論については、7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)を参考資料としています)

子供をどのように育てたいのか。どんな子に育ってほしいのか。どんなふうに自立してほしいのか。アドラー心理学に出会うまでは、正直、あまり考えていませんでした。

アドラー心理学に出会い、学び、実践することで、かなり生きやすくなりました。ならば「これをそのまま子育ての指針にすればいいんじゃないか」と思うようになりました。

子育ての軸になり、育みたいアドラー心理学の思想と理念をまとめました。アドラー式子育てを実践する上でも参考にして頂ければ幸いです。

共同体感覚

精神的な健康のバロメーター。共同体の中で所属感・信頼感・貢献感の確かさを求めて行動する。

7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)より引用

共同体感覚はアドラー心理学の思想という位置づけで、アドラー心理学の目指すところでもあります。心理学なのに思想があるというのはアドラー心理学の特徴です。

アルフレッド・アドラーは第一次世界大戦で、精神科医として、戦争の悲惨さを体験して、共同体感覚こそが、平和に繋がると考えたとされています。特に、子育てや児童相談所に力を注いでいました。そして、アドラーの後継者たちも同様に子育てに力を注ぎ続け、アドラー式子育てが発展していったと言うわけです。

私が学んだアドラー式子育て、SMILE講座(ヒューマン・ギルド開発)では、共同体感覚を幸福の条件として3つにまとめられています。

自分が好きであること【自己受容】

他の人たちを信頼できること【他者信頼】

自分は役に立つ人間だと感じること【他者貢献】

SMILE講座テキストより引用

例えば、大好きなダンス教室に通う小学生の女の子の感覚です。

ダンス教室では、安心感があり、ありのままの自分を出すことができています。ダンスで失敗しても大丈夫。みんなも勇気づけてくれるので何回でも挑戦できます。みんなのことが大好きで優しいと感じています。グループダンスの一員としてチームに貢献しているとも感じています。

趣味の集まりも、このような共同体感覚に溢れていることが多いのではないでしょうか、

家族、学校、会社、など、すべての場所が、このような共同体感覚に溢れていたら幸せですよね。

アドラー式子育ては、子供のそのような感覚を育むことを目的としています。幸せを感じる力。みんなの幸せに貢献する力とも言えます。

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共同体感覚についての詳しい説明については、こちらの記事もご参照ください。「アドラー心理学へのいざない[エヴァ ・トライカース・ファーガソン著 大竹優子・河内博子訳]」を参照しながら共同体感覚についてじっくり考えました。

相手の関心に関心を持つ 

そして共同体感覚の基本になるのが相手の関心に関心を持つことです。自分の好きなことや頑張っていることに関心を持ってもらえると嬉しいですよね。活力も湧いてきます。

子育てにおいても同じです。子供の関心に関心を持つことが土台となると言っても過言ではありません。親が子供に関心があるのは当たり前ですよね。でも子供の関心はどうでしょうか。子供の好きなキャラクターや遊びのルールを熟知してると子供は喜びます! 

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アドラー心理学の実践を本格的に始めて約1年半後のブログです。娘の好きなプリキュアのキャラクターの名前も言えない私がいます(^^)

自己決定性

人間は、環境や過去の出来事の犠牲者ではなく、自ら運命を創造する力がある。

7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)より引用

人や環境のせいにしない人生。何事に対しても最終的には自分で決めているという理論です。

自己決定の感覚は、幸福度にも密接に関係しているという研究もあります。

私の息子は、アドラー式子育てを始める前は、「これいい?あれいい?」となんでも親に聞いてくるところがありました。

最近はやっと自分で決めることが多くなってきましたが、時にはイライラして「そんなの自分で決めて!」と言ってしまうこともありました(^^)

小さな子供に「どっちがいい?」と選択させるのも、自己決定性を育むことに繋がります。

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不安を克服する力を育てるには、勇気づけでコツコツと共同体感覚を育てるのが堅実です。そして、その中でもキーポイントになるのが自己決定性。不安な状況を経験した時。我慢させるより不安を取り除く経験をして方が、逆に、不安を克服する力が育ちます。なぜなら、不安に直面しても、なんとかなる、という考え方の癖が身につくからです。まさに自分で自分の人生を創造する力と言えます。

息子の自己決定性について試行錯誤しています。これらの記事も参考にして頂ければ幸いです。

家に帰ってきても座らないと決心したお兄ちゃん。いつもはダラダラですがその日はテキパキして一気にやるべきことを完了!やり遂げた後のゼリーは最高に美味しかったそうです(^^)

目的論

過去の原因ではなく、未来の目標を見据えている人間の行動には、その人特有の意思を伴う目的がある。

7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)より引用

アドラーが時代を共にしたフロイトとの対比として取り上げられることも多いのが目的論です。フロイトは人の行動の原因に注目していたのに対し、アドラーは目的に注目しました。

例えば、子供の不適切な行動です。フロイトの視点では、過去の家庭環境などに注目して、原因を探ります。一方で、アドラーの視点では、行動の目的に注目します。原因は説明にはなるかもしれませんが、解決には繋がり難いからです。

例えば、不適切な行動の目的は、親の注目だとします。親の注目がないと自分には価値がないと勘違いしてる可能性があります。そう考えると解決の糸口が掴めてきます。

また、原因よりも目的に注目することは、未来志向とも言えます。失敗を責めるよりも、解決策を考えることにも繋がり建設的です。失敗を責められると、落ち込みますが、未来志向だと活力が湧いてきます。

時には原因を探ることも大切ですが、目的思考、未来志向を子供には持ってもらいたいと思います。

全体論

人は心の中が矛盾・対立する生き物ではなく、一人ひとりがかけがえのない、分割不能な存在である。

7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)より引用

無意識と意識を一体とする考え方です。アドラー心理学は別名「Individual Psychology(個人を分割しない心理学)」とも言われ、アドラー心理学を特徴づけている点です。

例えば「わかっちゃいるけとやめられない」と無意識の責にすることはしないという考え方です。「ただ、やめようとしていないだけ」と考えます。あくまでも、意識と無意識を一体と考えます。

人のグループについても全体的に捉えます。例えば5人グループがあったとします。5人のグループとしての機能として捉えるとわかりやすいです。ひとりが欠けただけで、グループの雰囲気がガラッと変わることがあります。

無意識の責にしなかったり、物事を全体的に捉える力を子供につけたいと思います。

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テレビを見てしまい「勉強ができない」と言っている息子に「できないんじゃなくて、ただしようとしてないだけ」と話してみた時のことです。息子は「しできない」という言葉を作りました。まさに、意識と無意識を一体にした造語と言えます(^^)

認知論

人間は、自分流の主観的な意味づけを通してものごとを把握する。

7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)より引用

どんな出来事もそれ自体はニュートラルで、どう意味づけるかは、自分が決めているという考え方です。過去の出来事は変えられませんが、過去の出来事に対する意味づけは変えることができます。考え方のクセと考えることもできます。

例えば、家族旅行中のハプニング。

「だから旅行ってめんどくさいんだよ」と考えるクセがある人と「ハプニングって面白い!」と捉える人がいます。

どう捉えるかに着目すると人生が豊かになります。そんな考え方も子供に身につけてほしいと思いました。

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私自身、家族旅行ってめんどくさいって思っていましたが、今では、計画段階から楽しめるようになりました。その変化についてのブログです。認知について、参考にして頂ければ幸いです。

「過去への執着は未来への希望と活力と考えることができる」と気づいた時のことです。目からウロコでした!

対人関係論

人間のあらゆる行動は、相手役が存在する。

7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)より引用

人の悩みは、すべて、対人関係にあるという考え方でもあります。故に、人との関係性を軸に捉えることを大切にします。

タテの関係よりもヨコの関係相互尊敬相互信頼協力平等の関係を、豊かな対人関係と考えます。

そんな人間関係の捉え方ができ、豊かな対人関係を持てるような子に育ってほしいと思います。

まとめ

アドラー心理学では、共同体感覚は思想、自己決定性/目的論/全体論/認知論/対人関係論は理論、勇気づけは技法という位置づけです。そして、それらは子育ての指針となり得ます。

是非、子供には、共同体感覚を持ち、5つの理論の考え方を身につけ、人を勇気づけられる人に育ってほしいと思います。

共に学ぶアドラー式子育ての手引き

ブログで参照しているPositive Disciplineをまとめました。アドラー式子育てを実践する上で参考にして頂ければ幸いです。

Positive Discipline 52のアドラー式子育ての手引きはこちらからご覧になれます。
https://www.positivediscipline.com/articles/52-positive-discipline-parenting-tools-52-weeks

下記のまとめでは私が翻訳したものを記載しています。一緒にお稽古していきましょう(^^)

ハグ(Hugs)

安心すると子供はより適切な行動をします。大人もですね。ハグは私達に安心感と活力を与えます。

1) 子供がかんしゃくを起こしたら、「ギューしていい?」って聞いてみましょう。

2) もし子供がヤダと言ったら、「もう一回ギューしたい」と言いましょう。

3) それでもヤダと言ったら、「もう一回ギューしたいな。じゃあ、気持ちが落ち着いたら、教えてくれる?(少し距離をおく)。その後の子供の行動にビックリするでしょう。

Positive Disciplineより翻訳して引用

説明はいらないかもしれませんね。「大好きギュー❤️」です。

私が最初に始めたアドラー式子育ての実践です。それまでは「ギュー」してませんでした。自分が子供の頃にしてもらった記憶もありませんし。やり方もよくわかりませんでした。

あまり慣れてないと最初はぎこちないかもしれません。でも、実践あるのみです。だんだん慣れてきます。以来、私は、毎日欠かさずしています。

無条件で自分は愛されている。信頼されている。自分には価値がある。家族の一員なんだ。そんな感覚が育ちそうですよね。

100円玉貯金と一緒で、子供の自己肯定感が、コツコツ積み上がっていきます。子供からハグが返ってくるので、親の自己肯定感も上がっていきます。私の場合、始めて3ヶ月くらいで効果を実感でき始めました。

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アドラー子育てブログを始めて約1週間。6本目の記事です。ハグの効果に驚きました。

目線を揃える(Eye to Eye)

ソファーに座りながら大きな声で話すのは、子供を尊重しておらず、聴いてもらえてないのではないでしょうか。

1) 今していることをやめて、近くに寄って、目を合わせてみましょう。

2) 子供のことを尊重する態度で目を見ていると、話し方も優しくなることに気づくでしょう。

Positive Disciplineより翻訳して引用

ハグに続いて大きな効果のあった手引きです。言われてみればそうですよね。ソファーでスマホを見ながら「お風呂はいろー」って言っても子どもは聞いていません。近くにいって目を見て話すと少なくとも聞いてくれます。

この手引き。私の保育園人生を変えてくれたと言っても過言ではありません。

今までは、娘が準備をする時は立って待っていました。座って待って、さらに、膝をついて過ごしていると、、、子供達が寄ってきます。自分の娘以外とのコミュニケーションが格段に増えました。目線が合うと、話しやすくなるみたいです。

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お兄ちゃんには効果があった子育てのいくつかの定石。娘には全然効かず。効果があったのがハグアイコンタクトでした。そもそも小さい子は視野が狭いためアイコンタクトが有効です。

登園の時に膝をついて過ごすようになってから、保育園生活が大きく変化しました。あとから知り合いの保育士の方に聞いたのですが、保育園の先生にとって目線を揃えるのは基本とのこと。故に先生達も膝をついて過ごしてることが多いそうです。

天使のささやき作戦(目線を揃えるの応用編)

目線を揃えるもさすがにテレビにはかないませんでした。そんな時に効果があったのが「天使のささやき作戦」です。汎用性が高く多用しています。

優しさと毅然さ(Kind AND Firm)

優しさと毅然さ。両極端ではなく。

まずは、共感と気持ちに寄り添い。できれば、選択肢を促す。たとえば

1) 歯磨きしたくないんだよね。じゃあ、一緒にしようかな

2) まだ遊びたいんだよね。じゃあ、そろそろお布団に入ろうか? 本は1冊、それとも、2冊?

3) 大好きだよ。だから、それはやめてほしいな。

Positive Disciplineより翻訳して引用

アドラー式子育てを始めると、勇気づけやヨイ出しに夢中になって、甘くなりがちになる時期があります。でも、忘れてはいけないのが、毅然さです。

アドラー式子育てを実践する上で、優しさと毅然さを意識していくと、より効果的に実践できます。

実践していくと、うまくいかなかったり、失敗することも多々あります。そんな時こそ、この基本に立ち返ることをオススメします。

「優しさ」は「甘やかし」とは異なる。

「毅然さ」は「罰を与える」とは異なる。

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最近やっとわかってきたことがあります。普段の甘やかしでない優しさ(=勇気づけ)がコツコツと積み上がっていると、いざという時の毅然さが活きてきます。小さな子にはシンプルな言葉でキッパリと。

お願いの前に繋がりを持つ(Connection Before Correction)

指摘をする前に繋がりを持つことは、「優しさと毅然さ」の代表例です。

1) 「大好きだよ!だから、やめてほしいな」

2) 「成績よりあなたのことが大事。あなたにとっての成績はどんなもの?」

3) 「大好きだよ。あなたなら、きっと解決できると思うわ」

4) 「それが凄く欲しいんだよね。でも、今は買えないの」

Positive Disciplineより翻訳して引用

まさに「優しさ」と「毅然さ」にぴったりの手引きです。無条件の愛情を示したら、子供は存在価値を認められた感じがして安心します。聞く体制もできます。子供は聞く体制ができてないと聞かないですから。

大人だってそうですよね。いきなりお願いされるより、「お疲れ様」「いつもありがとう」と一言あってからの方が受け入れやすいのではないでしょうか。夜、残業で帰った時、妻から「お疲れ様(大好きギュー)」とされてから「洗濯物畳んで片付けておいてもらえる?」と言われたらどうですか?

さすがにしてくれないと思いますが(^^)

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妹に背中に乗られてちょっかいを出されてた時に、叫んだお兄ちゃんの一言。「好きだからやめて〜」。お願いの前に愛情を示してました。お兄ちゃん。6歳下の妹に鍛えられてます。

勇気づけと褒めるの違い(Encouragement vs Praise)

人に依存するよりも自立を教える

勇気づけは自己評価に繋がる

褒めるは過剰な承認欲求に繋がる

褒める) 「よくできたね。はい、ご褒美」

勇気づけ) 「頑張ってたからね。嬉しいね!」

褒める) 「いいこね」

勇気づけ) 「手伝ってくれてどうもありがとう」

Positive Disciplineより翻訳して引用

アドラー式子育ては「褒めない・怒らない・子育て」としても有名です。アドラー式子育てでは、褒めることで子供をコントロールしようとすることに否定的なためです。

アドラーの後継者で、アドラー心理学の発展に多大な貢献をしたとされているルドルフ・ドライカースは「植物が育つのに水が必要なように、子供は勇気づけが必要」と話しています。

勇気づけは「私はできる!」「私は役に立っている」という感覚を育てる声かけや関わり方です。そこに子供をコントロールする下心はありません。

えっ?褒めちゃいけないの?と思われる方もいるかもしれませんが、アドラー式子育ては、褒めること自体を否定しているわけではありません。

実際のところ、褒めることと勇気づけは、重なる部分が沢山あります。褒めることで「私はできる!」「私は役に立っている」という感覚が育まれることも多いと思います。

副作用のある褒め方の特徴を3つ紹介します

結果にだけ注目する(過程には注目しないで)

「100点とったんだ。ずこいね」これだけだと、逆に、プレッシャーになりそうですね。会社の上司に、いつも、結果だけしか褒められなかったらどうですが?ちょっと嫌ですよね。

コントロールしようとする下心がある

子供は鋭いです。下心があるとすぐにバレます。大人の世界でもそうですよね。下心があるお世辞って、すぐにわかっちゃいますよね。

才能や能力ばかり褒める

とある塾の先生のメルマガでも紹介されていたのですが、スタンフォード大学の心理学者、Carol Dweck博士の研究です。子供たちを3つのグループにわけて、比較的簡単なパズルの課題を与えて、結果に対して以下のように対応しました。そして、声かけの後に、簡単なパズルと難しいパズルの2つのパズルから、1つを選んでもらいます。

グループ1「頭がいいね。かしこいね」と才能や能力を褒めるグループ

グループ2「頑張ったね。一生懸命だったね」と努力を褒めるグループ

グループ3 結果のみを伝えて、特に声かけはなしのグループ

グループ1の65%が簡単なパズルを選び、グループ2は10%のみ簡単なパズルを選び、グループ3は45%が簡単なパズルを選んだそうです。

グループ1の才能や能力を褒られた子供は、失敗を恐れて、また、褒められるために、簡単なパズルを選んだ子供が多かったようです。まさに、褒められることが、過剰な承認欲求に繋がってしまった結果となりました。

一方、グループ2は、まさに、勇気づけになりました。大部分の子供が難しい問題に挑戦しました。過程に注目することは勇気づけになることが、研究結果となりました。

副作用のある褒め方ばかりになってしまうのがよくないというだけ

繰り返しになりますが、褒めることが悪いわけではありません。褒めることは、勇気づけに繋がることも多いです。

副作用のある褒め方ばかりになってしまうと、逆に、プレッシャーになり、褒められないと自分には価値がないと子供が勘違いしてしまうリスクがある、くらいに捉えていればいいと思います。大人だって、褒められると単純に嬉しくなり、やる気も出ることの方が多いですよね。

毅然と実行する(Follow Through)

言ったことは毅然と実行する。子供は大人が本気で言っているかそうでないか見抜きます。

8時までにお着替えと歯磨きが終わったら、本読むからね。そして、子供が、8時までに用意ができなかったら。優しく、時計を指差して、本を読まずに、ベッドに連れて行く。

明日、また頑張ろうね。と勇気づけも忘れずに。

Positive Disciplineより翻訳して引用

これ難しいです。グダグダに。「お約束だからね」と言っても、破られて、許してしまいます。まあ、見抜かれているんですね。私の本気度を。

今更ですが、最近分かったことが。本気度も重要ですが、それ以上に、普段の信頼関係ができてないと難しいということ。ママの方が、きっぱり言えるのは、日頃の積み重ねなんでしょうね。

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毅然と実行する厳しさは、大人目線では明らかに正しいと思えることでも、普段の信頼関係や勇気づけができてないと、子供に伝えるのは難しいです。相互信頼、相互尊敬、共感、平等、課題の分離、尊重、協力。それらと一体となると厳しさが活きてきます。

信頼を示す(Show Faith)

子供への信頼は、勇気と自信を育みます。

1) 助けたり、お説教したり、代わりにしてしまったりする代わりに、「できるよって」ってただ信頼を示すだけ。

2) 子供は「経験」を通して、自分で問題を解決する力や転んだら起き上がる力を身につける。

3) 共感を示す。「そうだよね。怒りたくもなるよね。信頼してるからね。」

Positive Disciplineより翻訳して引用

ついつい、口出ししてしまいますよね。早くしなさい。忘れ物ない?時には、子供が質問されて考え中なのに、肩代わりして答えてしまったり。

まずは、お口をチャックしてみましょう!

子供は思っている以上にいろんなことができることにびっくりしますよ。

大人も、あれやこれや細かいことを言われるよりも、信頼して見守ってもらった方が、やる気が出ますよね。

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子供の料理つい口を出したくなってしまいますがガマンしました。心配性なので包丁を使う時はドキドキです。プリンセス(5歳の娘)の手付き。だんだん慣れた手付きになってきましたがドキドキです。

ルドルフ・ドライカース(アドラーの後継者)の公開カウンセリングの様子です(ビデオはオレゴン大学図書館の16ミリフィルムの一部が公開されているものです)。どの時代も一緒です。親はお口をチャックしましょう!という内容でした。

共感して気持ちに寄り添う(Validate Feelings)

1) ありのままの気持ちを受け取ってもらい、自分で克服する力を育む。

2) 正したり、助けたり、慰めたりしない

3) 気持ちに寄り添って共感する。「怒ってるんだよね」「悔しかったんだね」「悲しいんだよね」

4) そして、子供が自分で克服できると信頼して、見守る。

Positive Disciplineより翻訳して引用

些細なことで(例えば小さい虫を見て)、子供が怖がって泣いたりしたら、こんなことを言った経験、ありませんか?

「そんなに怖がることないよ。全然怖くないから大丈夫だよ」

子供は、自分の気持ちが否定された気持ちになるかもしれません。こんなことで怖がって泣く自分はダメなんだと。

このアドラー式子育ての手引きが提案しているのは、共感して気持ちは寄り添うこと。怖がっているのは事実なんです。その気持ちをまずは認めます。

「怖いんだよね。虫さんにびっくりしちゃったんだよね」

ギューってしてあげてもいいかもしれません。

そして、あとは自分のお口をチャックです。子供が自分で克服する力があることを信じて見守ります。

少し経ってから「大丈夫?ちょっと触ってみる?」と聞いてもいいかもしれません。

その時は触らないかもしれません。でも、子供なりに、いろいろ考えています。いつか克服できる日が来ます。

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迷った時は共感ファースト愛情ファースト。アドラー式子育ての基本とも言えます。いきなりお願いをしても子供はほとんど聞いてないことが多いです。

娘が泣くとあたふたしてしまいがちなパパも多いのではないでしょうか。私がまさにそうでした。あたふたしたら、娘の思うツボかもしれません。意識して落ちつくことにしました。1に落ちつく2に落ちつくです。そして、ゆっくり優しく。娘のペースに巻き込まれることがだいぶ減りました。

ママがいない時に限って突然のママがいい〜!マジで焦ります。そんな時こそ、共感ファーストと愛情ファースト。落ち着いて、ゆっくり、優しくです。そのマインドで、抱っこ共感気をそらす。娘には成功率の高い対応です。

自然の結末(Natural Consequences)

子供が自分の選択の結末を経験することで、自立する力を育むことができます。

1) 説教をしない「だからいったでしょ!」

2) 共感する「濡れちゃったね。ちょっと気持ち悪いね」

3) 助けないけど慰る「あったかいシャワー浴びる?」

4) 気持ちに寄り添う「恥ずかしいよね」

Positive Disciplineより翻訳して引用

お口をチャックしていると、子供は失敗するかもしれません。コップの水をこぼしたり。忘れ物をしたり。転んしまったり。

そこで言ってはいけないのが「だからいったでしよ!」と勇気をくじいてしまうこと。でも、心配がゆえに、きついことを言ってしまうこともありますよね。そんな時は素直に謝りましょう。

共感や気持ちに寄り添うと、子供に勇気が湧いてきます。失敗からたくさんのことを学びます。そして、失敗を恐れず、いろんなことにチャレンジすることができるようになっていきます。

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お兄ちゃんが3年生の2月のこと。まだ、アドラー式子育てを始めたばかりのことです。いきなり「忘れ物ない?」を言うのをやめました。案の定、忘れ物ばかりに。5年生になっても忘れ物は無くなりませんが、自分の責任と受け止めています。小学生の男子なんてそんなもんですよね。お母ちゃんがせっかく作ってくれた塾に持っていくお弁当を忘れることも。お母ちゃんに怒られるのも、ある意味、自然の結末です(^^)

兄弟ゲンカはどちらの味方もしない(Siblings Fights Putting Kids in the Same Boat)

兄弟ゲンカには親は介入しない。どちらかの味方につくことはしない。

1) 同じ選択肢: 「ねー。2人とも。話し合って決める?それともジャンケン?」

2) 信頼を示す: 「2人とも楽しくする方法考えたら、教えてくれる?」

3) 介入しない: どちらの味方もせず放っておけば、自然とおさまります。普段から、家族会議で、民主的な解決方法を教えるが効果的です。

Positive Disciplineより翻訳して引用

息子と娘は6歳違い。ついつい、お兄ちゃんを我慢させちゃいます。アドラー式子育ての兄弟喧嘩への対応の基本は、どちらの見方もせず、介入もしないことです。

どちらかというと、上の子の肩を持つくらいでちょうどいいくらいです。

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兄弟ゲンカには基本介入しない。そう割り切ってから格段に気持ちが楽になりました!珍しくお兄ちゃんがまったく譲らず。しばらく大げんかが続きました。

基本的に親は介入しないと頭でわかっていても、つい、お兄ちゃんの気持ちをないがしろにしがちになります。寝かせつけの時にお兄ちゃんがうるさくするとイラッとしたり。そんな時はお兄ちゃんに謝ります。

親は介入しないと決めてから、半年くらいのこと。久しぶりに大げんかになりました。2人とも大爆発。でも、お父ちゃんは、どちらの味方にもなりません。2人もだんだん、お父ちゃんは2人に平等であると、分かってきたようです。ちなみに、平等という感覚は、共同体感覚の大切な要素のひとつでもあります。

6歳も離れていると、一緒に遊んでいると、難しい問題に直面します。妹は勝ちたいので理不尽な要求をしてきます。2番目の子供の競争心というのもあるようです。一方、お兄ちゃんは、ルールを守らせたいと思います。それぞれの価値観やこだわりが違うんです。親が介入しなくても、2人とも、遊びを通して、少しずつ、何かを学んでいるようです。放置とは異なり、基本、見守りつつ。たまーに、2人に考えさせる質問をしたりしています、

隣に座るだけ(Closet Listening)

何も聞かず、ただ、子供の側へ。それだけで、子供から、何か話し始めるかもしれません。

1) ただ子供の側で一緒にいる時間を持ってみる。

2) 子供が「なーに?」と聞いてきたら、「ただ一緒にいたいだけ」と答える。

3) もし、子供が何か話し出したら、何も判断せずにただ聞く。

4) もし、何も話してこなかったら、ただ、一緒にいることを楽しむ。

Positive Disciplineより翻訳して引用

子供って、親の話を聞いてくれないですよね。普段、お説教ばかりだったら、なおさらのことだと思います。質問しても、答えてもくれなかったり。

では、ただ隣に座ったらどうなるでしょうか。以外と話し出したりします。たとえ、話さなくても勇気が湧いてくるもんです。

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なかなかあなどれない手引きです。ただ側にいるだけ。人間の脳は、無意識にいろんなことを判断しているそうです。側にいるだけで、無意識の領域にも、働きかけがあるんだと思います。日本語には、気が合うとか、波長が合うといった、興味深い表現がありますが、側にいるだけで、気や波長が合ってくるのかもしれません。

好奇心をそそる質問をする(Curiosity Questions)

説明をする代わりに、質問することで、子どもが自分で考えたり判断することに、繋げましょう。

1) 遅刻しないようにするには、どうしたらいい?

2) あっ。牛乳ごぼしちゃったね。どうしようか?

3) どうやって、お兄ちゃんと一緒に、解決できると思う?

4) 外、寒そうだね。何を着て行こうか?

5) 宿題は終わりそう?とんな予定なの?

Positive Disciplineより翻訳して引用

信頼して見守っているだけでは、さすがに、限界があります。そんな時に有効なのか、向上心や興味をそそる質問をするのとです。

誘導質問にならないように留意が必要ですが、線引きは難しいです。子供自身がどう受け取るかなので。

「宿題は終わりそう?どんな予定?」も状況や普段のコミュニケーションによっては「早く宿題しなさい!」に聞こえてしまうかもしれません。

それでも、ストレートに「早く宿題しなさい!」よりは、いいと思います。きっと、子供なりに、どうすべきか考えています。

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コップをこぼしそうな子供にはつい言ってしまいます「そんなところに置いてたらこぼしちゃうでしょ!」。そして、こぼしたら。「ほら!そんなところに置いてるから!もー!」アドラー式子育ての王道では、お口をチャック(信頼して長期視点)。子供に失敗をさせて、学んでもらいます。でも、放置とは違うお口をチャック。どんなところが放置とは違うのか。このエピソードから体感していただけたら幸いです。

とは言うものの、口をどうしても出したかったり、出した方がいい時もあります。そんな時に効果的なのが、好奇心をそそる質問をすること。誘導質問との違いは紙一重です。もうこれは、いろいろ試行錯誤するしかありません。この記事もそんな試行錯誤の一つです。

私に似て心配性なお兄ちゃん。ややパニクリ気味のお兄ちゃんに、自己勇気づけで有効だった方法を応用してみました。共感目的への注目を促す、好奇心をそそる質問となりました。困難に遭遇した時には、落ち着いて柔軟に、そして創造的目的に向かう考え方の癖を持ってもらいたいと思っています。私自身も、自己勇気づけを通して、そんな考え方の癖が少しづつ付いてきました。

論理的結末(Logical Consequences)

自然の結末は、行動の結果が自然に訪れるのに対して、論理的結末は、子供の行動の結果を話し合いにより合意します。

Positive Disciplineでは、4つのポイントが挙げられています。

関連性がある Related

尊重している Respectful

合理的である Reasonable

役に立つ Helpful

Positive Disciplineより翻訳して引用

例えば「お風呂に入るのが最後に入ったら、出る時に湯船を洗ってから出てね」

お風呂に入るのが最後になった人が、湯船を洗うのは、関連性があり合理的ですよね。

洗えば、綺麗になりますし、家事労働を学ぶことにも繋がります。

お風呂に入るのを最後にする選択肢を尊重もしています。

一方で「3回約束を破ったらおやつ無しね」はどうでしょうか。

約束を破ることと、おやつを無しにすることは関連性はないですし、合理的でもありません。単なる罰となっている可能性が高いです。

論理的結末のように見えて、罰になってしまうことがあるので、取り扱い注意です。

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わざわざ東京にあるロボット教室に行っていた時のことです。ついていけなくなるので遅刻は絶対にしないでくださいと先生に言われていました。なのにお兄ちゃん。朝、観たいテレビがあり何回か遅刻をしていました。朝、なかなか準備が出来ず、親はイライラ。わざわざ東京までいってるのに!そこで決めました。あと3回遅刻したら辞める約束をしました。論理的結末と罰との微妙なラインでした。今、思い返すとですが、ギリギリ、論理的結末だったと思います。

お兄ちゃんがなかなかお風呂に入らずイライラ。なかなかいいアイデアだったと思います。お風呂に入るのが最後になったらお風呂掃除をしてもらうことにしました。お風呂はみんなで使う場所です。そこを掃除するのはみんなの仕事。親が掃除するのが当たり前と言うわけではありません。論理的結末がうまくはまりました。

自由と責任は表裏一体。自分の行動の責任は自分で取ることができる大人に育って欲しいです。逆に、親や先生の言うことに従うことばかりしていると、うまくいかないと、人のせいにする人生になりがちです。「自分で自分の行動を決めるけど、その結末は自分で引き受ける人生」と「誰かに従うけど、うまくいかないと、人のせいにする人生」。論理的結末をうまく活用することで、前者のような自己決定性が育まれます。

参考資料

アドラー式子育てに関する参考資料

Positive Discipline(Jane Nelsen) マンガでよくわかるアドラー流子育て(宮本秀明[著] 岩井俊憲[監修]) SMILE講座テキスト(ヒューマン・ギルド開発) ほめるより子供が伸びる 勇気づけの子育て(原田綾子) アドラー式子育て 家族を笑顔にしたい パパのための本(熊野英一)

アドラー心理学に関する参考資料

アドラー心理学へのいざない(エヴァ・ドライカーズ・ファーガソン[著]、大竹優子・河内博子[訳]) What Life Could Mean To You (Alfred Adler) アドラー心理学の歴史的流れ(マリーナ・ブルフシュタイン博士による2019年開催のセミナー) 7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲) ELM講座テキスト(ヒューマン・ギルド開発) 勇気づけ(ジョセフ・ペルグリーノ博士による2018年開催のセミナー) 勇気づけの心理学(岩井俊憲)