子どもの叱り方「かきくけこ」

子どもの叱り方「かきくけこ」

2022年6月12日

効果的に叱るのって本当に難しい!

怒ってしまったり、説教っぽくなってしまいます。

小2の娘にも中2の息子にも、伝えたいことを伝えるのに苦労しています。

分かりやすくコツをまとめられないかなぁと試行錯誤。

やっとまとまりましたのでこの場で紹介させて頂きます。

叱り方の「かきくけこ」

  • か(過程に注目)
  • き(聞いてくれる?まず共感)
  • く(具体的に目的を説明)
  • け(傾聴は好奇心をそそる質問で)
  • こ(肯定系で伝える)

叱り方で最も重要なポイントを厳選しました。実行するにはまずは覚えること。相槌の「あいうえお」と一緒です。

ポイントを覚えると格段に実践がしやすくなりました!

か(過程に注目)

結果より過程に注目。どの子育て法にも出てくる基本と言っても過言ではないです(注: 結果に注目すること自体が悪いわけではありません

状況

テストで期待していた点数を取れなかった

結果に注目

赤点ギリギリだったんだ。残念だったね。

過程に注目

あまり勉強してなかったもんね。残念だったね。

過程に注目の方が、次、頑張れそうな感じがします。結果に注目の場合より、次の行動に繋がり易いのも特徴です

き(聞いてくれる?まず共感)

注目を得る前に話をしても、子どもの耳には入っていないことも。親はヒートアップ。そして大きな声に。まずは、子どもが聞く体勢になることを優先します

状況

お風呂の時間になってもテレビを見続けている子ども

間髪入らずに声かけ

(親)「テレビ見過ぎ。もうお風呂の時間だよ」(子)「・・・」(親)「聞こえてる!もうお風呂の時間!」

聞いてくれる?まず共感

「ねえねえ、聞いてくれる?」(できれば目線を揃えて)

注目を得ることができたら、すかさず共感。そして伝えたいことを話します。

「このテレビ面白いね」

「でも面白過ぎて時間に気づいてないんじゃない?」

「そろそろお風呂の時間だよ」

まずは「聞いてくれる?」で注目を得ます。聞く体勢ができたら、すかさず共感。

共感してもらうと、さらに聞く体勢が整います

く(具体的に目的を説明)

子どもが不適切な行動をする理由として、そもそも、ただ知らないだけかもしれません。知らないのであれば、説明する必要がありますよね。

しかしながら、子どもの理解力は大人とは異なります。なるべくわかりやすく、具体的に、変えてほしい行動の目的を伝えることがポイントです。

状況

プールサイドを走っている

おざなりな説明

走っちゃダメ!危ないでしょ!

具体的に目的を説明

地面が濡れてるとどう?滑りやすくなってない?滑って転んじゃったら痛そうだね。歩いた方が転ばないよね。

ここで親が伝えたいのは、転んで怪我をしないために歩いた方が安全ということ。

「走る→転ぶ」という原因と結果を説明することに加えて、「歩く→転ばない」という、適切な行動とその目的を説明するのもポイントです。

子どもは好奇心旺盛です。なんでなんで?が大好き。子どもは大人が思うより説明をしっかり聞いてくれています

け(傾聴は好奇心をそそる質問で)

「〜しなさい」という命令や説教は子どもはまず聞き入れてくれないですよね。

子どもが自ら答えを見出すのが理想的です。効果的なのが積極的な傾聴(アクティブリスニング)

そんな難しく考えず、好奇心をそそる質問をすることを意識すればオッケーです

状況

寝坊して遅刻ばかりしている

命令や説教

また今日も遅刻?寝坊してるからでしょ!もっと早く起きなさい!

傾聴は好奇心をそそる質問で

昨日も遅刻したんだってね。どうしようか?

命令や説教は、多過ぎると、関係性も悪くなる副作用があります。一方、傾聴は、関係性にも配慮した方法です。命令や説教に比べると受け入れ易い傾向があります。

遠回りのように見えるかもしれませんが、自分で考えた方が、実行する可能性は、格段に上がりますよね。

傾聴は子どもの力を信頼している対応でもあります。答えは子どもの中にあるという前提です

好奇心をそそる質問のコツ

質問のコツとして「どうしようか?」など、YesかNoで答えられないオープンクエスチョンから始めるのが効果的です。子どもが考えます。

子どもが黙っていても、少し待ちましょう。沈黙しているからと言って考えてないわけではありません。

沈黙が長くなり過ぎたら、次の質問は、もう少し具体的な質問にします。

例えば

「明日、遅刻しないためには、どうしたらいいかな〜」などです。「どうしようか?」よりは回答の選択肢が狭まっています。

子どもが小さくて、オープンクエスチョンが適さない状況の場合は、いくつかの選択肢を提示するのも有効です。選ぶことによって子どもは自分で決めたと感じます。

どうしてもアドバイスをしたいような状況の場合は「一緒に考える?」とワンクッションいれるだけでだいぶ違います。

好奇心をそそる質問例

勉強しなさい→今日、やりたいことできた?

お風呂に入りなさい→お父さんそろそろお風呂入るよ。どうする?

早くしないと遅刻するよ→今、8時だよ。気づいてた?

こ(肯定系で伝える)

「〜やめなさい」のような否定系の指摘は、分かりづらい傾向があります。だからどうしたら良いかがわからない場合もあるためです。

また、人間は、否定されると、反発したくなっちゃうんですよね

状況

プールサイドを走っている

否定系で伝える

プールサイドは走らない!

肯定系で伝える

プールサイドは歩こうね

走るな!と言われると、イラッとしますが、歩こうね!と言われると受け入れ易いもんです。

あと、走るな!と言われると、余計走りたくもなります。人間の脳は否定系を理解しづらいという説もあるらしいですよ。

子どもに両方試して聞いてみました。やはり肯定系の方がいいって言っていました!

広めよう!叱り方の「かきくけこ」

いかがでしたでしょうか。

勇気づけの子育てをしているとダメ出しを少なくして勇気づけを意識していくので叱り方に困っていました。私の性格上も叱るのがちょっと苦手です。

子どもを叱ったり伝えたいことがある時に「かきくけこ」を意識するようになってから、少しずつ、コツが掴めてきました。

子どもを叱る必要がある時は

まずは過程に注目。「聞いてくれる?」で子どもの注目キャッチ。すかさず共感。しっかり傾聴。そして伝えたいことは肯定系で

叱り方の「かきくけこ」

試して頂けたら嬉しいです。

参考資料

SMILE講座テキスト(ヒューマンギルド)アドラー心理学の子育て

勇気づけの子育て(原田綾子)アドラー心理学の子育て

Positive Discipline(Jane Nelsen)アドラー心理学の子育て

ほめ方叱り方(島村華子)モンテッソーリ / レッジョ・エミリア