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アドラー心理学とは?と聞かれたらなんて答えるだろうと想像して、会社勤めのパパ目線で、アドラー心理学をまとめました。
アドラー心理学とは
アドラー心理学とは、アルフレッド・アドラー(オーストリア、1870-1937)が築き上げた、自分もみんなも幸せになれる、思考と行動を実践する心理学です(太字部分は私の解釈でまとめた表現です)。共同体感覚を目指す思想と5つの基本理論が基礎となっています。(基本理論の数については諸説あります)
アドラー心理学が目指す共同体感覚
共同体感覚とは、精神的な健康のバロメーターとされ、自分には価値があり、自分は役に立っているという感覚です。自己肯定感と所属感の両方がバランス良く満たされている状態で、共同体感覚が高いと、相手の関心に関心を寄せ、自己犠牲や承認欲求を伴わない純粋な貢献感を感じることができます。貢献こそが自分とみんなを幸せにするという理念です。
共同体感覚は生まれながらに持っているとされています。例えば、生まれたばかりの赤ちゃんが、親にニコッと笑い、親が笑い返します。そして赤ちゃんがさらに喜びます。よくある幸せな光景ですよね。赤ちゃんは、自分の存在価値を感じ、親や周りの人を幸せいっぱいにしています。
感覚なので、なかなか文章では伝えにくいのですが、共同体感覚についてじっくり考えた記事があります。これらも併せて読んで頂ければ幸いです。
共同体感覚を育てる勇気づけ
生まれながらにして備わっている共同体感覚ですが、植物が育つには水が必要なように、共同体感覚が育つには、勇気が必要とされています。
アドラー心理学では「勇気づけ」は技法という位置づけで、共同体感覚を育てる中核的な存在です。
アドラー心理学における勇気づけとは「私はできる」「私は役に立っている」ということを勇気づけることを言います。(参考資料: The Application of Adlerian Principles: A Discussion with Eva Dreikurs Ferguson: Encouragement https://www.adlerpedia.org/people/38#resource-50)
私が勇気づけコミュニケーションを学んだELM講座では、勇気づけとは「困難を克服する活力を与えること」と表現しています。
勇気づけの代表的な例が笑顔と感謝です。もしあなたが会社の同僚やお客さん、妻(夫)や子どもに、笑顔で「ありがとう」と言われたらどんな気持ちになりますでしょうか。幸せな気持ちになりませんか?やる気や活力が湧いてきませんか?
アドラー心理学の5つの基本理論
自己犠牲や承認欲求を伴わない貢献が自分やみんなを幸せにする。勇気づけが共同体感覚を育てる。口で言うのは簡単ですが、実戦するのは難しいです。それができたら苦労しません。実践する上で役に立つのが、共同体感覚に繋がる5つの基本理論です。自分もみんなも幸せになる思考と行動を実践する枠組みと言ってもいいと思います。
自己決定性・・・人間は、環境や過去の出来事の犠牲者ではなく、自ら運命を創造する力がある。
目的論・・・過去の原因ではなく、未来の目標を見据えている人間の行動には、その人特有の意思を伴う目的がある。
全体論・・・人は心の中が矛盾・対立する生き物ではなく、一人ひとりがかけがえのない、分割不能な存在である。
認知論・・・人間は、自分流の主観的な意味づけを通してものごとを把握する。
対人関係論・・・人間のあらゆる行動は、相手役が存在する。
それぞれの説明文は、7日間で身につけるアドラー心理学ワークブック(岩井俊憲)より引用
こちらの記事で、5つの基本理論について、もう少し詳しく説明しています。併せて読んで頂ければ幸いです。
自分もみんなも幸せになれる心理学
アドラー心理学の特徴は、世界平和を願っているところにあります。世界平和なんて軽々しく言えませんが、そんなテーマに真っ正面から向き合っているのが、世界大戦の悲惨さを経験したアルフレッド・アドラーが築き上げたアドラー心理学です。
自分の幸せはみんなの幸せ無くして成り立たず、みんなの幸せは自分の幸せ無くして成り立たない。自分を大切にし、相手も大切にする、両方が幸せになる心理学と言えます。
それを可能にする知恵が散りばめられているのがアドラー心理学です。
アドラー心理学のメガネをかけて、子育てや、夫婦関係、会社勤めの日常をブログに綴っています。
ブログを通して、共同体感覚を育てる勇気づけの輪が、少しでも広がればこの上ない幸せです。