【共同体感覚についてじっくり考える】「関心を持ってくれてありがとう」という体験より

【共同体感覚についてじっくり考える】「関心を持ってくれてありがとう」という体験より

2019年5月29日

[写真: Artwork by Cara Fisher Wellvang -AdlerPediaより]

出社すると。

「あれ? 今日は遅い出社じゃなかったでしたっけ?」

「しまった。今日は息子の授業参観でした!」

というわけで、出社してすぐに小学校へ。

みんな、私に関心を持ってくれてありがとう!

(実際に小学校に行くと、1年生のみ参観というオチもありました😊)


これが、アドラーの言う、「共同体感覚」か。

と思った瞬間でした。

その感覚の源は

「相手の関心に関心を持つ」

関心を持ってもらえてるって、嬉しい気持ちになりますよね。

嬉しいだけでなく

自分には居場所がある

自分は大切にされている

もっとみんなの役に立ちたい

という気持ちも湧いてきます。


今回は、アドラー心理学の目標とも言える「共同体感覚」についてじっくり考えてみました。


アドラー式子育ての目標であったり、自分やみんなが幸せと感じたり、人生の課題を克服する原動力となったり。そんな感覚としても出てくる「共同体感覚」。


「アドラー心理学へのいざない[エヴァ・ドライカース•ファーガソン著 大竹優子•河内博子訳]」を参照しながら、共同体感覚について考えました。


ありのままの自分であっても自分には「居場所があり」「所属している」


たしかに、居場所のために努力してる時って疲れてきます。自分の存在価値のために。みんなに認めてもらうために。自分の価値を証明するために。そのようなことに一生懸命に頑張ってる時って、正直、疲れていました。


馬車馬のように頑張り過ぎてると、砂ぼこりが立って、後ろからついてきている人や周りに、その砂ぼこりがかかってしまいます。

そんな時期、誰にでもあるのではないでしょうか。それはそれで良しとしていいと思います。


一方で、普段から興味を持ってもらってると、ありのままでも受け入れられてるって感じがします。


実際のところ、自分の周りの家族であったり、友達であったり、同僚であったり、周りのみんなは、ありのままを受け入れているのではないでしょうが。ただ、大変な時に限って、それに気づいてなかったなと。


アドラーは信じていました。人は、ひとりひとり固有の魅力がある。また、その魅力は、自分が思っている以上と。そもそも、人はみんな存在しているだけで、十分に個性的で魅力的ってことなんだと思います。


貢献に向け努力することは人間の理想的な目標


最近では、誰かの役に立ちたいっていう気持ちは幸福感につながるっていう調査結果もあるようです。どんな時に幸せを感じるか、思い返してみると、相手が喜んでいる時。親、妻、子供、同僚、部下など、喜んでいたり、笑っている時、自分も幸せな気持ちになります。


共同体への所属感…共同体のための感覚と、共同体とひとつのものとして共にある感覚…共同体とその幸福への関心を含んでいるのです。


自分の居場所であり、周りのみんなに幸せに幸せになってほしい。また、それが自分の幸せにも繋がっている。そんな感覚なんだと思います。


集団の幸福に自分の参加が重要であるといった感覚


これ。大切な感覚だと思いました! どんな自分であっても十分に役に立っている。ありのままの自分であってもかけがえのない存在。といった感覚。逆は、自分なんていてもいなくても同じ。いない方がマシ。という感覚。そんな時もあります。


実際のところ、親にとっての子供。子供にとっての親。無条件で。かけがえのない存在。でも、それがただ伝わってなかったり。


所属感は結果として貢献や全体の幸福への関心へと導く

集団の体験には、協力や信頼、個人に対する尊敬、価値の平等性が福間」でおり、また、意思決定やその結果を共に経験することが、共同体感覚を最も刺激する体験となります。

集団を構成する個人それぞれの幸福が最大に考慮されている場合にのみ集団の幸福は最大になりえます。


家族の幸福には、一人一人の幸福が不可欠ですよね。それは誰も疑わないのではないでしょうか。つまり、集団の幸福には、その集団の個人個人の幸福が不可欠ということになります。

きっと会社だって一緒です。


人類の幸福に貢献するときには…自分の創造性を発達させることが可能性になるのです。


まさに、ドラゴンボール、ウルトラマン、北斗の拳、ワンピース、セーラームーン、プリキュア、機関車トーマス、スーパーマン、の世界ですね😊


自分自信が集団の中の大切な一員であると感じられば感じるほど、自分の貢献は集団の幸福にとって価値のあるものだと彼はより強く認識することでしょうし、他者へのそして他者からの尊敬が大きくなるほどに、彼自身の自信は、その共同体感覚とともに強まることでしょう。


世界は優しいって思えると、自然と力が湧いてきます。

家を子供や夫婦の安全基地にしていきたいと、改めて思いました。


アドラー心理学の老舗の教育機関であるヒューマンギルド代表の岩井俊憲先生は共同体感覚を以下の3つにまとめられています。SMILE講座(ヒューマンギルド開発の親子関係セミナー)では、幸福の3つの条件に以下をあげています。

  1. 自分が好きであること【自己受容】
  2. 他の人たちを信頼できること【他者信頼】
  3. 自分は役に立つ人間だと感じること【他者貢献】

ひとつ目は、欠点も含め、ありままの自分を受け入れている、自己肯定感が高い状態とも言えます。

他者を信頼できている状態とは「世界は優しい」といった感覚。

他者貢献とは、自己犠牲を感じることなく、貢献したい、又は、自分は役に立っている、といった感覚。

自己受容、他者信頼、他者貢献と覚えています。


<アドラー心理学へのいざない>

英文と日本語訳の併記版は日本アドラー心理学会のホームページより購入できます。http://adler.cside.ne.jp/


<アドラー式働き方改革について>

共同体感覚を盛り込んだ働き方改革のビジョンとコミットメント

ビジョン(目指すところ)

会社の成長と従業員の幸せを目的とする

コミットメント(約束)

全体最適を優先とするが個人の犠牲を伴わないこととする


共同体感覚の概念を盛り込む前は、思うようにに進まなかったんです。いろいろやったんですが。


共同体感覚の概念を盛り込んだ後は、働き方改革は順調に進みました!


共同体感覚と勇気づけが、会社でも(自分の会社でも他の会社でも)広がることを願っています。


<最後に>

「より先に、より多く」という言葉もあります。

自分からより先により多く、相手の関心に関心を持つ、という考え方です。